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更新日:2016年2月12日
平成26年のデータでは、医師国家試験合格者の32%を女性が占め、医師全体でも女性医師比率が20%を越えました。静岡県医師会は、これまで勤務医支援や女性医師支援といった領域にやや消極的であった感が否めません。人口10万人あたりの医師数が201.5人(平成26年)と全国的にも少ない静岡県では、他の都道府県以上に、女性医師が働きやすい環境を整備することが重要だと考えます。
私は、浜松医科大学の4期生ですが、約20年臨床医(消化器外科医)として働いたのち、病院管理職を経て静岡県医師会理事となりました。理事として働き出した当初から、県医師会として勤務医を支援すること、女性医師を応援することを上層部に訴え続けた結果、平成26年8月に「女性医師支援委員会」を会内に設置できました。現在、同委員会は、県医師会副会長を委員長とし、県医師会理事、郡市医師会女性理事、浜松医科大学「女性医師支援センター」スタッフ、県内基幹病院女性勤務医で構成されています。折しも、平成25年度に浜松医科大学に「女性医師支援センター」が設置されたことや、平成26年度に創設された「地域医療介護総合確保基金」において、静岡県から提案した「女性医師等就労支援事業」が採用されたことなどが後押しとなりました。
「女性医師支援委員会」による具体的事業としては、平成26年度末に県内で「女性医師勤務環境実態調査」を行ったほか、年3回ほどの委員会開催と、年2回の研修会等の開催をこれまで行ってきました。また、現在、静岡県医師会のホームページをリニューアルしているところですが、新しいホームページには「女性医師支援サイト」を設置して、各種関連情報を随時アップしていくつもりです。実は、日本医師会では、平成18年に「医師再就業支援事業」を厚労省から受託したのをきっかけに、平成19年という、とても早い時期から「日本医師会女性医師バンク」を設置するなど積極的な活動を行っています。
(参照)日本医師会女性医師支援センター: http://www.med.or.jp/joseiishi/index.html
日本医師会の活動に比べると静岡県は、まだまだ遅れている状況にはありますが、今後、「静岡県健康福祉部(ふじのくに地域医療支援センター)」や「浜松医科大学『女性医師支援センター』」とも協働し、様々な活動や支援事業などを展開していく予定です。研修医の先生方を始め、若い先生方からの積極的なご意見や要望等をお待ちしています。
平成28年2月 静岡県医師会理事 小林利彦